法人名義でアプリを公開するはずが、9桁の番号で足止めされた
法人名義でアプリをGoogle Playに出そうとしたとき、しろまえ殿は聞き慣れない単語に行き当たった。
D-U-N-Sナンバー。
世界共通の企業識別子だという。
これが無いと、Play Consoleの組織アカウント登録そのものが先へ進まない。
個人アカウントには、別の縛りがあった
そもそも、なぜ法人名義にこだわるのか。
調べると、個人アカウントには「12人以上のテスターを14日間連続でクローズドテストする」という縛りがあることが分かった。
組織アカウントなら、この縛りを受けにくい。
しろまえ殿は、法人名義で進める方針を固めた。
そこで立ちはだかったのが、D-U-N-Sナンバーだった。
取得ルートは複数あるが、選ぶべき道は決まっている
D-U-N-Sナンバーの取得ルートはいくつかあるが、Apple Developer Program経由の申請が無料で早い、という情報が見つかった。
登記情報の照会サービス経由だと、有料かつ日数がかかる。
すでにApple側で登録済みなら、番号はすぐ判明する。
注意点も見えてきた。
D-U-N-Sは英語表記でしか登録できない。
Play Consoleに入れる組織名は、登記簿上の英語表記と完全に一致させないと、審査で落ちる。
検索でヒットしても、「本社」を示す個体でなければ使えない。
支店扱いの個体は無効だった。
登録料は25ドルの買い切り。
全体のスケジュールは最短でも数週間、余裕を見て2ヶ月程度を見込んでおく。
たとえば引っ越しの手続きで、住民票の異動と郵便物の転送届を別々に出す必要があるのに似ている。
一つの申請で全部が済むわけではない。
締切は、待ってくれない
D-U-N-Sの手続きと並行して、しろまえ殿はもう一つの締切を確認した。
Android 16(API level 36)への対応だ。
これが、新規公開・既存アプリの更新ともに必須になる期限が定められている。
期限を過ぎると、更新そのものが通らなくなる。
既存ユーザーは使い続けられるが、新規のユーザーには表示されなくなる。
延長申請の制度もあるが、恒久的な猶予ではない。
D-U-N-Sの取得に数週間、ストア素材の準備に別途日数がかかることを踏まえると、締切から逆算して動き出す必要があった。
業務用アプリは、審査員の目線を想像する
ログイン必須の業務用アプリは、外部の審査員が中身を見られないぶん、機械的にリジェクトされやすい。
これを避けるための核は二つ。
審査員が実際にログインできるテストアカウントを、手順書とともに提供すること。
そして、ストアの説明文で「これは何のアプリか」を明確に伝えること。
しろまえ殿がここで得た教訓は、審査を通す作業を「フォームを埋める作業」ではなく「初対面の審査員に業務を説明する作業」として捉え直すことだった。
自分たちには当たり前の業務フローも、外から見れば説明無しには理解できない。
番号一つで止まっても、慌てない
9桁の番号一つで進行が止まったとき、しろまえ殿は焦りかけた。
しかし、取得ルートと必要書類さえ分かれば、あとは待つだけの作業だった。
締切と手続きの所要日数を並べて逆算する。
急ぐべきところと、待つべきところを見分ける。
それが、この一件で残った実務の型だった。
参考にした公式情報
- Google Play Console ヘルプ「開発者アカウントの種類を選択する」(組織アカウントとD-U-N-Sナンバーの要件。確認日: 2026-08-11)
https://support.google.com/googleplay/android-developer/answer/13634885
- Google Play Console ヘルプ「Google Play アプリの対象 API レベルの要件」(Android 16 / API level 36の締切に関する公式案内。確認日: 2026-08-11)
https://support.google.com/googleplay/android-developer/answer/11926878
制度・仕様は変更されることがある。実際に申請する際は、Google Playの最新の公式情報を確認してほしい。